球磨焼酎

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球磨焼酎

九州山地に囲まれた人吉盆地は、球磨川(くまがわ)の豊かな水に恵まれた土地であり、昔から国内有数の米どころとして知られています。
この米を原料として、球磨川の水で仕込んだのが球磨焼酎。
500年の伝統を誇る本格焼酎は、良質な水と土から生まれているのです。

球磨川は、日本三大急流の一つ。
この川が流れる人吉・球磨地方は、穀倉地帯であり、米と麹、球磨川水系の伏流水だけを用いて仕込む本格米焼酎が球磨焼酎です。

この地では、戦国時代から焼酎造りが行われていて、険しい山に囲まれた盆地では、独自の文化が生まれ育ちました。
現在では、28の蔵元が500年の歴史を受け継ぎ、米を使った本格焼酎を造り続けています。

球磨焼酎の定義は、「米のみを原料とし、人吉球磨の地下水で仕込んだもろみを人吉球磨で蒸留し、瓶詰めしたもの」。
コニャックやシャンパンと同様に、特定地域の原料を用いた地名を冠する産地指定ブランドなのです。

高い品質を支えているのは、豊かな自然環境であり、九州山地から湧き出る伏流水が集まる球磨川水系は、焼酎造りの要。
球磨地方の清らかな水は、飲んで美味しい自然の恵み。

また、このような自然環境を守るために、環境保全性に配慮した様々な取り組みも行われています。
酒蔵から出る焼酎粕を飼料としてリサイクルする施設、廃水処理設備の導入など、球磨焼酎酒造が中心となり、安心で安全な焼酎造りが心がけられています。

球磨焼酎のすっきりとした飲み口の特徴

球磨焼酎は、米だけの単一原料を使用しているので、初心者や女性にも馴染みやすいすっきりとした飲み口が特徴。
飲みやすく、フルーティーな香りで落ち着いた風味なので、どんな料理にも合います。

最近では、首都圏などの都市部にもファンが広がっています。
また、すっきりとした味わいは、海外での評価も高くなっています。
日本人の主食である米から生まれた本格焼酎は、500年の歴史と伝統を受け継ぎながら、世界を目指しているのです。

球磨焼酎の魅力を広く外に発信するために、酒蔵見学も行われてていて、製造工程を見たり、焼酎造りの展示がされている蔵元も増えています。
2010年春には、球磨焼酎ミュージアムがオープンしました。
ここでは、焼酎が日本に伝わった歴史について学ぶことができ、明治時代から大正時代にかけて行われていた焼酎造りの工程も再現されています。
酒蔵に伝わる古い機具も展示されていて、当時の製造法や生活の様子を知ることが可能。

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